自分に合ったホームシアターをつくるために
ホームシアター(シアタールーム、リビングシアター)に望むものは人それぞれ。「映画を臨場感たっぷりに楽しみたい」「美しい響きに包まれながら音楽を堪能したい」など、理想の環境は異なります。そこで重要になるのが機器の選定です。こちらでは、「トムテック(TomTech)」がホームシアター構築の基本とポイントについて解説します。
機器選択
ホームシアターの設置にはスピーカーやAVアンプ、プロジェクターなど、さまざまな機器が必要です。そのため、多くの方がつい「できるだけ良いものを、できるだけ安く」と考えてしまいがち……もちろん、それ自体は間違いではありませんが、あまりにスペックや価格にとらわれすぎてしまうと、理想のホームシアターから遠ざかってしまう可能性もあります。
大切なのは、「自分にとっての理想のホームシアターがどのようなものなのか?」をじっくり考えること。そして、設置する部屋の間取りや広さを正確に把握し、それに見合った機器を選定することです。
スピーカーについて
一口にスピーカーと言っても、用途によってさまざまなものがあります。映画を抜群の臨場感で楽しみたいのであれば、やはり7.1chの採用がおすすめ。もちろん、5.1chであってもチョイスと設置場所によっては十分な迫力を味わえます。
また、映画だけでなく音楽鑑賞も楽しみたいという場合には、フロントL・Rに大型のスピーカーを用意するのが一般的です。その他、フロアスタンド型やトールボーイ型という床置きのタイプも人気です。
このように、それぞれの要望によって必要なシステムというのは大きく異なります。もちろん、間取りや広さも非常に大きな要素となるため、スペックの高さだけでは判断ができません。まずは条件と照らし合わせながら機器を絞り込み、その後で価格と機能面のバランスを見ていくことが大切です。
モニター/プロジェクターについて
モニター選びで重要となるのが、視聴の距離です。一般的に、画面からの視聴距離はモニターのサイズの2倍程度が適切と言われています(4Kの場合は画面の高さの1.5倍)。そのため、いたずらに大画面のモニターを用意したとしても、部屋の広さの関係で十分な視聴距離が取れなければ、かえってストレスを感じてしまう可能性も……。まずは観賞場所をどこにするのかを決め、それに応じた画面サイズの検討が重要です。
また、プロジェクターに関しても、現在は非常に安価なものが出回るようになってきました。しかし、価格面だけで選んでしまうと「なんだか画像が粗い……」「ファンの音がうるさい……」といった不満が出てしまうかもしれません。現在登場しているプロジェクターには「4K」「フルHD(上級)」「フルHD(カジュアル)」「データ用」といった種類がありますが、最低でも「フルHD(カジュアル)」から選ぶようにしましょう。
システムの配置
たとえばスピーカーの設置位置で考えてみましょう。音というのは、ただスピーカーから出ているわけではありません。部屋の壁や天井、床に反射することで、豊かな響きとなり私たちの耳へと届きます。そのため、どのような機器を選定するかと同じかそれ以上に、設置場所が重要になってきます。
ホームシアターで使われることの多い5.1chサラウンドの場合、国際電気通信連合(ITU)という機関が推奨する設置方法(角度)というものがあります。より音響を効果的に楽しむための理想的な配置となっているため、可能な限りこれに沿った設置が重要です。スピーカーの持つパフォーマンスを最大限に活かすことができれば、価格以上の満足感をきっと得られるでしょう。
将来を見据えたホームシアター構築を
ホームシアターに関わる技術は日々進化を続けています。それだけでなく、私たちの暮らしを取り巻く環境も驚くべきスピードで変化をしてきました。そのため、ホームシアター構築の際には、こうした時代の変化までも考慮した設計が重要です。将来登場する機器との互換性や、配線・ネット環境など――10年、20年後も使いやすい形が実現できるよう、すべての面に配慮したホームシアターづくりを心がけてください。